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防塵性能/耐塵性能について

製品を選ぶ際、重要視するポイントが人それぞれあると思います。
明るさ、点灯時間、電池の仕様、防水性能等々・・・チェックする点は多々ありますが、「防塵性能/耐塵性能」はチェックポイントに入っているでしょうか?

「埃っぽい作業現場でライトを使っているとすぐに壊れる」、「砂埃の舞う屋外で使ってからライトが不調」といった経験をもしされていたら、その原因は「粉塵」にあるのかもしれません。
今回は「粉塵」の影響を受けにくい製品を選ぶために必要な知識をご紹介します。

保護等級(IP)の見方

まずは表記の見方について、おさらいしていきましょう。
ジェントスではJIS C 0920 (IEC 60529)に基づき防塵性能及び耐水/防水性能の測定を行っています。保護等級はIP〇〇という文字列で表し、IPの文字のすぐ右隣は粉塵(塵や砂、埃など)に対する保護等級(外来固形物に対する保護等級)を表し、一番右は水の浸入に対する保護等級を表しています。
粉塵は0~6まで、水は0~8までの数字で保護等級を表しています。

水に対する保護等級について、より詳しく知りたい方はこちらもチェックしてみてください。

『耐水性能・防水性能について』

保護等級の意味

各保護等級について下記の表を参考にしてください。

外来固形物に対する保護等級とその内容

IP4Xまでは具体的に「〇mm以上の固形物(やワイヤー)が中に入らない」と記載があるので、検査基準がわかりやすいのではないでしょうか。
IP5XとIP6Xについては、専用の機械を使ってテストを実施します。
テストの結果、本体内に粉塵が侵入しても機器が正常に動作すればIP5X、本体内に粉塵が侵入しなければIP6Xとなります。

GENTOSの製品ではIP5Xの基準に合ったテストに合格した製品は「防塵」、IP6Xの基準に合ったテストに合格した製品は「耐塵」と表記していますので、パッケージやホームページの製品情報をよく見てみてくださいね。

なお、粉塵もしくは水への保護等級を記載する必要がない場合、アルファベットの「X」を記載、もしくはIPを記載しないこともあります。

IP5XとIP6Xのテスト内容

IP5XとIP6Xのテストでは、「タルク粉」という粉と下図のような機械を使用します。

防塵テスト用機械

テストの種類は3種類ありますが、機械の内部にテストする製品を設置してタルク粉をかけてテストを行うのは共通しています。

3種類のテスト内容で異なる点を比較してみましょう。

▶パターン1
完成品に対して行うテスト。製品内部の気圧を大気圧以下にし、完成品に対し2~8時間テストを行う。

▶パターン2
完成品に対して行うテスト。気圧を調整せず8時間テストを行う。

▶パターン3
完成品のテストを行えない場合に実施。①個々のパーツごと、または②製品を代表する部分のみ、または③完成品と同一設計で小型のものに対してテストを行う。

ちなみに、この時使用されるタルク粉の量は1m3当たり2kgで20回を超えて使用してはいけない、という決まりもあるのです。

防塵性能のテストについて解説していきましたが、何となくイメージはついたでしょうか?

防水性能とは異なり「防塵性能はあまり注目しない」という人も多いかもしれませんが、

埃っぽい場所での仕事や、砂埃が舞う可能性のある屋外での使用がある場合は、IP5XまたはIP6Xの製品を選ぶのがおススメです!

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