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ANSI FL1 Standardとは
パッケージに書いてあるスペックの意味は?
お店に並んだ商品のパッケージのスペックを見たときに「ルーメンって明るさのこと?」「点灯時間ってスイッチをオン・オフしても累計でこの時間なの?」と疑問に思われたことはないでしょうか。
ルーメンや点灯時間などのスペックはANSI FL1 Standardという規格をもとに測定し表記されたものです。 今回は、ANSI FL1 Standardとはどんな規格なのかご紹介していきます。
ANSI FL1 Standardとは
ANSIとは、American National Standards Instituteの略称です。アメリカ合衆国における工業規格の標準化を行う機関のことで、FL1 Standardとはフラッシュライトの性能評価規格です。
ジェントスはこのANSI FL1 Standardという規格に基づいて明るさ、点灯時間、照射距離、カンデラ、落下耐久、防水性能/耐水性能を測定して記載しています。なぜ、ジェントスがANSIを使用するのかは別の機会にお話しします。
パッケージの側面や裏面に下記のような表記を見たことはないでしょうか。これらのマークについて1つずつ紹介していきたいと思います。
測定項目
明るさ(ルーメン )
パッケージに大きく〇〇〇ルーメンと書かれているため見たことのある人が多いと思います。 ルーメン(単位:lm)とは、ライトなどの光源からいろいろな方向に出ている光全部を測定した明るさを表す単位で光束と呼ばれます。ジェントスで一番明るいライトは、フラッシュライトUltiREXシリーズUT-618Rの13,000ルーメンです。
点灯時間
ライトに新しい乾電池もしくは満充電状態の充電池を入れて連続点灯させ、初期の明るさの10%以下になるまでの時間です。そのため、連続で点灯させていると、10%以下でも点灯するため記載の表記以上に長時間点灯することがあります。逆に途中でスイッチのオン・オフを繰り返すことで点灯時間が短くなってしまうこともあります。その原因は、スイッチを入れると明るさを出そうとして電力を消費してしまうためです。
ジェントスで一番点灯時間が長いモデルはランタンと思いきや、なんとMAGNUMシリーズのMG-823DのEcoモード400時間で2週間以上点灯します。(※点滅モード・後部認識灯の点灯時間は除く)
照射距離
照射距離とは満月時の月光以上の明るさ(0.25ルクス※)で照らすことができる距離のことです。理論値のため実際の距離と前後する場合があります。
また、明るさと照射距離は必ずしも比例はしません。レンズやリフレクターの性能、ワイドビームやスポットビームなどの照射特性等で変化します。ジェントスでは、一番照射距離が長い状態(一番明るい点灯モードかつ、フォーカスコントロール可能の場合はスポットビームにした時)で計算を行っています。
ジェントスで一番照射距離が長いライトはUltiREXシリーズのUT-1000Mの1,034mです。
※ルクス(単位:lux)とは、光が物体の表面を照らす明るさの量を表す単位のことで照度と呼ばれます。
カンデラ
カンデラ(単位:cd)とは、ある方向に対する光の強さを数値で表わした単位で、光度と呼ばれます。ジェントスのライトの場合、一番光が強くなる状態(一番明るい点灯モードかつ、フォーカスコントロール可能の場合はスポットビームにした時)の照射面中央の光の強さを測定しています。
ジェントスで一番カンデラが大きい製品は、一番明るい製品のUltiREXシリーズUT-618Rではなく、一番照射距離の長いUltiREXシリーズのUT-1000Mの267,200カンデラです。
落下耐久
アクセサリー等をすべて付属した状態での製品を6面(上下・左右・前後)から各1回ずつコンクリート面に落として試験を行います。キズなどの外観上の変化にかかわらず、落下しても点灯確認ができる高さを表記しています。
ただし、製品を2mの高さから落として問題がなかったとしても、中に入っている電池の落下耐久が2mを満たしていない場合がありますのでご注意ください。ジェントスのパッケージに記載されている数値は本体のみの測定値となっています。
ジェントスの製品の多くは1~2m落下耐久で、落下耐久の測定を行わないのはデスクライトだけです。
耐水性能表示 / 防水性能表示
・耐水性能表示
耐水性能は飛沫や噴流に対する耐水性のことです。IPX2~IPX6と書かれた製品にこのマークがついています。ジェントスの製品パッケージにおいて、IPX4は防滴、IPX5は防噴流、IPX6は耐水と表記されています。一般的に日常生活用防水と言われているのはIPX4相当の耐水性のことです。
ジェントスのバイクライトは日常使いを想定してIPX4までの製品が多いです。
・ 防水性能表示
防水性能は潜水に対する防水性のことです。 IPX7,IPX8と書かれた製品にこのマークがついています。マーク内に書かれた〇mは水深を表し、〇mまで30分間製品を水に沈めた後、点灯できた場合に記載されます。製品パッケージにおいては、防水と表記されています。
ちなみに、ジェントスで一番水深が深いところで使えるライトは100m防水のGF-016RGです。
ジェントスでは前述の耐水/防水性能をJIS C 0920 (IEC 60529)に基づき測定を行っています。保護等級はIP〇〇という文字列で表し、IPの文字のすぐ右隣は粉塵(塵や砂、埃など)に対する保護等級(外来固形物に対する保護等級)を表し、一番右は水の浸入に対する保護等級を表しています。
粉塵は0~6まで、水は0~8までの数字で保護等級を表しています。
各保護等級について下記の表を参考にしてください。
なお、粉塵もしくは水への保護等級を記載する必要がない場合、アルファベットの「X」を記載もしくはIPを記載しないことがあります。
水に対する保護等級について分かりやすいイメージ動画を作成していますので、使用する環境と比較して必要な耐水性能・防水性能を判断する参考にしてみてください。
以上がANSI FL1 Standardの各項目とその詳細です。なお、明るさや照射距離、点灯時間の評価については各3個ずつ、落下耐久テスト、耐水性能表示/防水性能表示は各5個ずつ測定することが指定されており、測定温度などの条件も決まっています。
ジェントスではこのほかにも使用時の製品温度の測定や耐塵性能、スイッチの耐久性等の測定も行っています。
なお、ルーメンやカンデラ、ルクスのように明るさを表す単位はいくつかあり、それぞれ表すものが異なるため、後日詳しくお話したいと思います。